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決意を込めて見返して来る、双子の弟と認識する者の瞳。

本当はそんな関係ではなくて。

自分の元となった存在で。

その筈なのに、いつも何処か引け目を感じていて。

遠慮深くて、優しくて。

兄だと思っていた自分を、いつも立ててくれた。

その特質こそ、人の尊さと気付かずに。

孤独だった隙間を埋めてくれた。

どうしようもなく愚かしくて、損ばかりする。

愛すべき人間の一人。

そして、そんな存在が、もう一人いる。

至聖と並んで立つ娘に目を止め、息を吐く。

満たされないと分かっていながら共にいた女達の誰とも、彼女は違っていた。

こちらが近付こうとすればする程、遠ざかるようで。

簡単にその心を明かそうとはしなくて。

頑ななまでに、手に入れ難くて。

それなのに、ふと顔を上げたら側にいてくれて。

感じた事の無い安らぎをくれた。

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