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「五十嵐さん」

不意に、静かな声が耳に触れた。

同時に温かな手が指先をかすめる。

「諦めるのはまだ早いですよ。伝えたい事があるのならば、きちんと伝えなければ。後で悔やまずに済むように、手を尽くさなくては」

「……うん、そうだね」

どうして、彼女はこんなに静かで。

こんなに強いのだろう。

至高の真実を知って、心が痛んでいない筈はないのに。

「まさか、俺達の存在を忘れてないよな?至聖」

「多分、忘れてると思うけど」

気が付くと、大切な仲間達が集まって来ていた。

「私達が援護しよう。今のままでは、まともに会話も出来ないからな」

「有り難うございます」

涙が出そうになる。

一人じゃない、それだけで。

立ち上がり、前へ進める。

そんな力を持つ人は、まさに類まれなる存在だ。

そして、きっと。





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