27
倒れ伏す床の冷たさが、闇に溶け行く意識を留める。
ああ、やっと終わるのか。
偽物の日々、仮初の日々。
今となっては、あっと言う間だった。
その全ては、まるで。
「…………」
誰かの温かい腕に抱かれるのを感じ、ゆっくりと目を開ける。
そして見えた光景に頬が緩んだ。
「……ああ、貴女、ですか」
「…………」
真宵は黙り込んだまま、ただ強い眼差しを向けて来る。
そうだった、あの頃から。
彼女は決して口数が多い訳ではなくて。
けれどその分、内に秘めているものは熱くて。
それが時々顔を覗かせる度、新鮮な輝きがあって。
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Reservoir Amulet