16


「だからこそ、私達がいるのでしょう」

しゃがみ込んでいた真宵は素っ気無く答えながら、地面からピンセットで何かをつまみ上げた。

「これじゃないでしょうか」

街灯の光に照らし出されたそれは、深緑色のゼリー状のものだった。

「……気持ち悪いね」

「感想はいりません。さっさと袋を出して下さい」

「ああ、うん。少し待って」

促された至聖が、ポケットからチャックの付いた透明のビニール袋を取り出す。

真宵はピンセットを持つ手を伸ばし、袋の中につまんでいたものを落とした。

「これで良しと」

しっかりとチャックを閉めた袋をポケットに納めて、顔をしかめる。

「こんな気持ち悪いものを持ち帰らなきゃならないなんて、泣きたくなるね」

「我慢して下さい。向こうが残す唯一の痕跡が、それなのですから」

- 39 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet