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「だからこそ、私達がいるのでしょう」
しゃがみ込んでいた真宵は素っ気無く答えながら、地面からピンセットで何かをつまみ上げた。
「これじゃないでしょうか」
街灯の光に照らし出されたそれは、深緑色のゼリー状のものだった。
「……気持ち悪いね」
「感想はいりません。さっさと袋を出して下さい」
「ああ、うん。少し待って」
促された至聖が、ポケットからチャックの付いた透明のビニール袋を取り出す。
真宵はピンセットを持つ手を伸ばし、袋の中につまんでいたものを落とした。
「これで良しと」
しっかりとチャックを閉めた袋をポケットに納めて、顔をしかめる。
「こんな気持ち悪いものを持ち帰らなきゃならないなんて、泣きたくなるね」
「我慢して下さい。向こうが残す唯一の痕跡が、それなのですから」
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Reservoir Amulet