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予想通りの反応にもめげず、至聖は更に言葉を重ねた。

「だけど、君に殺せるのかい。場合によっては人の姿をしたモナダを殺す事になるかもしれない。それはか弱い子供や老人の姿をしているかもしれない。泣きながら命乞いをされても……君は殺れるのかい?」

「……必要であれば」

至聖を見た真宵の瞳は、強い光を宿している。

「宇宙から来た宇宙人が地球を征服しようとしている、そんな冗談みたいな世界で……。外見に惑わされては終わりでしょう」

揺らがない光に示されるのは、覚悟。

どんな言葉を尽くしても動かない、強固な意志。

それが偽りの無い事が分かったから、至聖は微笑んで頷いた。

「分かったよ。君の覚悟を疑ってごめん」

微笑を浮かべたまま続ける。

「でも、くれぐれも忘れないでほしいんだ。今の言葉を」

その時が来た時に、迷わぬように。

躊躇っていては、奪われる。

いざという時に、そんな事にならないように。

「戦う相手に情を移しては駄目だ。守りたいものを守る為には、迷わずに倒さなければならない」

「…………」

真宵は何も言わず、真っ直ぐに至聖を見詰め返した。

それは二人の視線がまともに合った、最初の瞬間だったのかもしれない。

未だ遠い二人を、夜の闇が飲み込んで行く。





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