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アースの軍に所属するのに、性別による制限は無い。

ただ、どうしても体力的に厳しい任務がある為、軍に入る女性は情報の処理やデータ管理等のデスクワークを担う事が多い。

だから男性に混じって働く、男装の麗人は目立つ存在と言える。

第一支部所属、日暮里沙は今日も男物の軍服を着こなして現れた。

「いらっしゃい、お二人さん。……あら」

しっかりと繋がれた至聖と真宵の手を見て、驚いたように目を見張る。

「まあ、いつの間にそんな仲になったの?隅におけないわね」

「……ちょっと訳ありなんですよ」

予想通りの反応に、至聖は苦笑気味に言った。

「ふうん、そうね。貴方、今ちょっと大変だものね」

里沙は声を潜めて続ける。

「聞いてるわ。モナダが成り代わった人が、貴方に似た人と接触してるって。私はそんな噂は信じてないけど、あんまり噂が広まると厄介よ」

「ご心配には及びません。すぐに疑念は晴れるでしょう」

毅然とした態度で、真宵が口を開いた。

「あら、貴方も五十嵐君のことを信じてるのね」

「はい」

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