夢の狭間.02
朝、いつものように洗濯物を干し終えたマイヤは、気合いを入れて髪を束ね、エプロンの紐を結び直した。
「よし、やりますよ!」
このように広い家では掃除をするにも気合いが必要だという事を、此処に来て学んだばかりだ。
住まわせてもらっている分、せめて自分に出来る事でお返しをしなくては。
玄関から始めて、奥の方へと掃除をしながら進む。
長い廊下を雑巾で拭いている時、不意に開いたドアがマイヤを直撃した。
「マイヤ!?悪い、大丈夫か?」
「は、はい。大丈夫です……」
シズマは廊下に出て来ると、マイヤの側に膝をついた。
「本当に大丈夫か?思い切りドアがぶつかっただろ」
「大丈夫です。結構頑丈ですから」
そんな会話の後、ふと沈黙が流れる。
「……何か、こんな事が前にもあったよな」
「はい。何だか懐かしいですね」
あれからそんなに時は経っていない筈なのに、もう遠い昔の事のようだ。
マイヤはふっと息をつき、微笑んで言った。
「今日は頑張って、大掃除をしようと思ったんですよ」
「そうなのか。なら、俺も手伝うか」
「え?良いんですか」
「ああ。今日は俺も予定が無いからな」
バケツを持って立ち上がったマイヤが、嬉しそうに頭を下げる。
「有り難うございます。では、この部屋から……」
そう言いながら、先程シズマが出て来た部屋のドアを何気無く開けた。
「あ、マイヤ、そこは」
「っ、きゃああ!」
- 111 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
表紙へ
ページ:
Reservoir Amulet