夢の狭間.03


悲鳴を上げ、ドアをばたんと閉める。

「要が着替え中だって言おうと思ったが、遅かったな。悪い」

「い、いえ。此処、要さんのお部屋だったんですね」

そこで、はっと気付いて尋ねる。

「あの、シズマさん。先程までこの中で何を……」

「変な事考えてないだろうな。俺は要の学院の仕事を手伝わされてたんだ。それが一通り片付いて要が着替えるって言うから出て来たんだ」

「そうだったんですか。今朝は皆さん朝食を食べにいらっしゃらなかったので、どうしたのかと思っていたんですけど」

その時、ドアが開いてきちんと服を着た要が顔を出した。

「すみません、マイヤさん。まともに見てしまいましたか」

「いいえ。こちらこそ、ノックもせずにすみません」

「要。謝って済む問題じゃないぞ。マイヤの純真な心を傷付けて、どうしてくれるんだ」

「君には言われたくないですね」

要は息をつき、改めてマイヤを見た。

「それでマイヤさんは、此処で何をしているんです?」

「あ、はい。大掃除をしようと思って」

「掃除?それなら早く言って下さい。僕も手伝いましょう」

「えっ?いいですよ、そんな。お疲れでしょうし……」

慌てて断ろうとしたマイヤに、要は優しく首を振る。

「そういう訳には行きません。君は家政婦ではないんです。僕も手伝いましょう」

それから、笑顔を浮かべて続ける。

「いつも有り難う。君がいてくれて助かっています」

「いえ、そんな。こちらこそお世話になってばかりで……」

二人の様子を暖かく見守っていたシズマが、そこで口を開く。

「じゃあ、掃除を続けるか」

「あっ、はい!」

「何をしたら良いんです?」






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