夢の狭間.09


その日の夜、シズマは暗い自室で電話をかけていた。

「……ああ。じゃあそういう事で頼む」

電話を切り、深く息を吐いて瞳を閉じる。

腕の中にまだマイヤの温もりが残っているようで。

さらさらとした髪の甘い香りや、柔らかな肌を。

思い返す度に、どうしたら良いのか分からなくなる。

ざわざわと、止まらなくなるこの想いは。

嵐のように、この胸を掻き立てて行く想いは。

考える度に、どうしたら良いのか分からなくなる。

だからせめて、今だけは空を見上げて想いを馳せる。

せめて、孤独な戦いに出る前に。





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