夢の狭間.08
マイヤが慌てて声がした方へ移動を開始する。
「海斗さん、具合が悪くて動けないのかもしれません。早く見付けないと」
「そうだな」
ベッドの中にはいなかったが、その向こう側を覗き込んだ要が叫ぶ。
「大変ですよ!海斗、床に転がって意識不明になっています!」
「おい、海斗!しっかりしろ!」
声を掛けられて、海斗の体が僅かに動く。
「……うーん。どうせなら可愛い女の子に優しく起こされたいんだけど」
「何、馬鹿な事を言ってんだ。いるんだったらこの部屋の掃除だけでも手伝ってもらうからな」
シズマが容赦無く海斗を起こしにかかる。
「嫌だって言ったら?」
「叩き起こすに決まってんだろ」
「……お前も野郎には厳しいねえ」
海斗は苦笑を浮かべながら立ち上がった。
「ふざけた事を言っていないで、さっさと終わらせますよ」
「後少し、頑張るか。マイヤ」
シズマと目が合い、マイヤもそっと微笑み返す。
「はい」
穏やかな日常。
こんな日は、いつまで続くのだろう。
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