波のざわめき.02


生徒がほとんど帰った、夜のシードジェス学院の実験室。

モニターを覗き込みながら、マイヤが感心したように言った。

「ずっとこういう事をやっていたんですか。凄いですね」

「凄くはねえだろ。いつも失敗ばかりだしな」

「でもこれが成功したら、一気に手繰り寄せる事が出来ますよね」

椅子を鳴らして海斗が言う。

「そうだね。そしたら『kiss me』の大特集を組もうかな。『女神が暴く都市庁の陰謀』ってタイトルで」

「女神?」

「マイヤちゃんのことだよ。是非グラビアも載せたいんだけど」

「い、嫌ですよ!恥ずかしいです!」

「まあそう言わず、一つ考えてみてくれないかな。マイヤちゃんが表紙を飾れば、『kiss me』ももっと売れるからさ」

「表紙!?もっと嫌ですよ!」

「マイヤちゃんは控え目だね。そこが君の魅力でもあるんだけど」

「…………」

笑顔で言われて、マイヤが顔を赤くして黙り込んだ。

そこに、要が呆れたように口を挟む。

「何をやっているんです、海斗。真面目にやって下さい」

「はいはい、分かってるよ」

息を吐いた海斗を余所に、シズマがマイヤに言う。

「流されるなよ、マイヤ。気を強く持て」

「は、はい」

「さて、ではそろそろ実験の続きをしましょうか」

要が教師らしい口調で言い、皆が表情を引き締める。

「じゃあ、始めるか」


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