波のざわめき.03
シズマがパソコンのキーボードに指を置いたのを合図に、海斗は実験装置のスイッチを入れた。
「……順調だな」
「そうですね。行けるかもしれません」
「分析を開始する。そのまま続けてろ」
忙しくキーボードを叩くシズマの横でモニターを覗き込み、マイヤが呟く。
「このまま行けば……」
しばらくして、要が息をついた。
「出ましたよ。成功です」
「解析結果をモニターに映すぞ。初めての成功だからな」
モニターに映し出されるデータは更新され続け、文字の羅列が飛び交う。
その様子を眺めながら、マイヤは目を細めた。
「やはり、難しいようですね」
「ああ。何しろ、シードジェスエネルギーだからな」
その直後、海斗がモニターを覗き込んだ。
「更新が止まりそうだ。やっぱり追いつけないみたいだね」
「あ……。データが」
マイヤがそう言っている間に、情報の更新は完全に止まり、モニターには解析不能という文字が浮かんだ。
「ストップしてしまいましたね」
「ああ。完全には解析出来なかった」
要の言葉に頷いたシズマは手を止めて息をついた。
「でも、途中までいい感じでしたよね!この研究を続けて行けば都市庁を黙らせるどころか、都市を本当に安全にする事だって出来るかもしれません」
明るい笑顔でマイヤが言うと、一瞬漂った重い空気がふっと和らいだ。
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