熱.18
シズマはふっと微笑んで言った。
「それが普通だよ。そして、それを忘れてないお前は、やっぱり強いよ」
「……シズマさん?」
その笑顔に何かを感じてマイヤが見詰めると、シズマは不意に立ち上がった。
「お前、まだ体調が完全に良くなった訳じゃないだろ。そろそろ寝た方がいい」
「あ、はい」
頷いてから、シズマを真っ直ぐ見上げて続ける。
「……お休みなさい、シズマさん」
「ああ、お休み」
微笑んで返し、廊下に出てドアを閉める。
閉ざしたドアにもたれ、低く呟く。
「俺は違うんだ、マイヤ。もう普通には還れない。だから、お前が今のままでいられるように、その為に」
頼りない心が呼び合う。
温もりと安らぎを求めて。
この瞬間を抜けて、一人きりで行こう。
強く、彷徨う心のままに。
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Reservoir Amulet