夢の終わり.12
一歩踏み出すごとに、足音がやけに大きく響く。
きっと彼女もこちらに向かっている筈だ。
限りなく愚かな彼女ならば、きっと。
此処は裏切りの場所。
哀しみと嘆きに満ちた場所。
負の感情に満ちるこの場所で、彼等は何を語るのだろう。
限りない絶望の暗闇の中で、何を語るというのだろう。
本当に価値ある未来を、希望を築き上げる事が出来るのは、絶望を真に知る者だけだから。
もしも全てを受け止めて尚、優しい未来を紡ぐ事が出来るなら。
語ってみれば良い、高らかに。
その、自分などが渇望しても決して得る事の出来ない愚かさを教えてほしい。
笑みを浮かべ、呟く。
「……楽しみにしているよ」
愚か者達の語りを。
その唇で紡ぐ、どんな嘆きも超越した語りを。
一体どんな物語を、彼等は聞かせてくれるのだろうか。
楽しみに待っている、この場所で。
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