揺らめく海の都市.18
病院から少し離れた所に、一台の車が停まっていた。
それに寄りかかり、一人の青年が煙草を吸っている。
歩いて来る鎮真と舞夜に気付くと手を上げる。
「よ、お二人さん」
「待たせたな、海斗【かいと】。こっちは学院の生徒の……」
「春日舞夜です」
鎮真の紹介に続けて名乗り、頭を下げる。
「初めまして」
「初めまして、舞夜ちゃん。俺は広瀬【ひろせ】海斗。さっきは凄かったね、あの都市庁長官相手に啖呵を切るなんてさ。その凛々しさに、思わず惚れそうになったよ」
「え?」
「こいつは長官をマークしてるからな。さっきの騒動も見ていたんだろ。列車の中で話した、月刊『Kiss Me』を書いてる知り合いが、こいつだ」
海斗は後部座席のドアを開けて言った。
「色々あって疲れてるだろ。取り敢えず乗りな。家まで送るよ」
「えっ、でも……」
「海斗を相手に遠慮する事無いぞ。こんな暗い中、女子高生を一人で帰すのは心配だからな」
鎮真の言葉に、海斗が頷く。
「そうそう。鎮真みたいのに攫われたら困るしね」
「人聞きの悪い事を言うんじゃねえ」
凄んだ鎮真を笑って流し、軽く続ける。
「まあ、とにかく乗りなよ。ちゃんと送るからさ」
「は、はあ。有り難うございます」
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Reservoir Amulet