揺らめく海の都市.21


舞夜が住んでいるというマンションの前で車を停める。

頭を下げる舞夜に見送られ、海斗は再びアクセルを踏み込んだ。

「舞夜ちゃん、一人暮らしだってな。本当に、何も無いと良いけど」

舞夜が向きを変えてマンションへ入って行くのをバックミラーで見て、海斗が呟く。

「……ああ」

頷いた鎮真に、軽く笑って続ける。

「本当に良い娘だね、舞夜ちゃん」

「そうだな」

「何となく、お前に似てる気がしたけど?」

その言葉に、鎮真は驚いて黙り込んだ。

「……俺と、春日が?」

「何処とははっきり言えないけどね、何となく」

ふと見た窓の外には、夜の景色が流れて行く。

「……そんな事、ある筈無いだろう。あいつと俺が似てるなんて」

断定した口調に、海斗は微笑んでハンドルを回した。

「まあ、そうかもね」

景色は流れる。

一つ一つ輝く人工の星は、目にも止まらない速さで。

流れて行く。

流れて行く。





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