愛の静寂.17


貴方は孤独じゃない。

一度は海の静けさに包まれても、今はこうして貴方の隣にいる。

一緒にいる。

「シズマさんがいてくれるから、私は此処まで来られた。貴方がいるだけで、私は嬉しくて満たされて。貴方がどんな人でも、私は……」

貴方は知らない。

側にいるだけで、どれだけ満たされているか。

全てを満たして尚、余りある程に。

「……有り難う」

見上げると、優しい瞳と目が合った。

その微笑みに、胸が締め付けられる。

そして、囁くように言葉が続く。

「行こうか、一緒に」

「はい」

目の前に、大きな扉が見えた。

この都市の動力源がある最深部へと続く扉。

手を取り合って、真っ直ぐ進む。

あの扉の向こうへ。









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Reservoir Amulet