機械.12


「ほら、今は脱出中ですよ。真面目にやって下さい、真面目に」

呆れたように要が言った時、海斗が前を示した。

「ああ、見えて来たよ」

そこにあるのは、まるで隠すようにひっそりと置かれた潜水艦だった。

「やはりこれに目を付けたか」

「譲刃猛が用意していた探査用の船だ。都市の様子を海中から確認する為にな」

「動くかどうかは確認してあります」

要の言葉に頷いて、シズマが口を開く。

「じゃあ早く乗り込むぞ。操縦は俺がする」

全員が潜水艦に乗り込むと、シズマは操縦席に座ってベルトを締めた。

「しっかり捕まってろよ。少し荒く運転するからな」

「補助は私がします。シズマさんは操縦に集中して下さい」

隣の席で発進する状況を確かめながら、マイヤが力強く言う。

「ああ。有り難う」

けたたましく鳴り響く警報ベルと、都市の崩壊音が此処まで聞こえて来る。

その中で息を吐き出し、都市庁にいた頃に習った操縦方法に神経を集中させる。

隣から凛とした声が聞こえる。

「前方障害物無し、システムオールグリーン、いつでも発進出来ます!」

この存在を守りたいから、自分は強くなれる。

彼女の信頼に応える為に。

手に力を込める。

「じゃあ、行くぞ」









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Reservoir Amulet