狂った針が時の記憶を刻む.03
「……早速来たか」
低い声で呟かれ、目を瞬く。
「あの、広瀬さんはどうして此処に?」
尋ねられた海斗は、軽く息をついた。
「葉月センセに頼まれたんだよ。昨日の事もあるし、様子見て来てくれってさ。だからさっきから、後を尾けさせてもらってたよ」
「ああ、先生が……」
先程から感じていた視線は、海斗のものだったのか。
記者である海斗なら、職業上尾行に慣れている事もあるだろう。
納得して頷くと、嘆くように返される。
「全く、自分で守るって言っておきながら、人を使うんだから侮れないね」
それから、真剣な表情で続けた。
「さっき舞夜ちゃんを突き飛ばしたの……覚えのある顔だった。都市庁の奴だよ。やっぱり昨日の喧嘩が原因かもな」
「……え?」
見返した海斗は、すぐに元の笑みを浮かべる。
「ま、気にしなくても大丈夫だろ。鎮真がいるんだしね。それより、時間大丈夫かい?」
「あっ、もう行かないと」
腕時計を見て声を上げると、海斗は安心させるように言った。
「じゃ、行こうか。君が校門に入るところまで、きっちり見届けるから」
「はい。わざわざすみません」
歩き出す舞夜に聞かれないよう、海斗は低く呟く。
「……都市庁か。さすが、反応が早いね」
けれど、これはあまりにも。
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