風の示す場所へ.11


もう幾度も間違えて想いはすれ違い、随分遠回りをして。

本当の自分は隠して嘘を重ね、果ての見えない戦いに絶望して。

戦いが終わった後も、きっと皆が願う全てをやり遂げた訳ではない。

傷付いて後悔して、何かを失いながら守り通せた僅かのものを。

何よりも守りたいと思った大切なものを、抱き締めていたい。

「……お前が好きだ」

何度でも伝えたい。

もう二度と、この大きな瞳が寂しさに惑う事の無いように。

想いを伝えたい。

波音が聞こえる中、本当の彼女と本当の自分が出会う時に。

想いを弔った波は彼方へ消えて。

もう二度と会えないと思ったあの日の波は、想い出を連れて再び此処へ。

これまで幾つもの犠牲を生んで来たけれど。

もう終わりにしよう。

「夢は、願いはこの手で叶えるよ。お前が側にいてくれる限り、俺は諦めずにいられるから」

愛しさが力をくれる。

終わらない夢を、願いを。

いつかこの手で叶える。









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