崩れ出す砂の城.15
ひたすら動いていた指が、ふと止まった。
文字が乱れる。
冷静に綴らなければならないのに、心が乱れる。
何故か、不意に泣きたくなった。
ペンを握る手で、自分に額を押さえる。
今になって、傷付く事が怖くなったのか。
もう戻る事なんて出来ないのに。
「分かっていた事じゃないですか……」
初めから、ずっと。
もうすぐ終わる。
終わってしまう時が来てしまう。
だからせめて、その前にもう一度だけ。
赤い跡が青に飲まれる夢から覚めても、もう一度。
まだ見ない夢の方まで、一人で走り続ける。
息をついて、ペンを持ち直す。
今はただ、書くだけだ。
いつも求め続けた、その想いが力となっていつか届くように。
遠回りでも、同じ場所を巡り続けているだけでも。
いつかはこの場所を飛び出して、外へ。
自分の芯にあるものを信じて。
遠い場所へ。
もう少しだと思うから。
もう少しで、この夢は終わる。
だからいつか、その時が来ても悔やむ事の無いように。
自分が選んだ道から生まれる代償も、全てを受け止めて。
微笑みを願うから、いつもただ。
今は遠くても、いつかはこの想いが。
本当の想いが。
届いてほしい。
いつか貴方へ。
本当の貴方へ。
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