崩れ出す砂の城.14
厳しい瞳で、友は問い掛ける。
「別に俺は良いけどさ。それでお前は本当に良いのかい?」
「ああ。これで俺の考えが否定されたら、それはそれで良いからな」
海斗はしばらく黙って缶コーヒーを飲んでいたが、やがて言った。
「何処かで、否定してほしいって思ってるんじゃないか?」
「……かもな」
鎮真の笑顔を見ながら、飲み干した缶をゴミ箱に投げ込む。
「分かったよ。けど俺は調べ出したらとことん調べるよ」
「だからお前に頼んだんだ。自分でやると、どうしても途中で止めそうだからな」
すると、海斗はふと寂しそうな顔をした。
「……何も出て来ない事を祈ってるよ」
「……有り難うと言っておくか」
その時、ドアが開いて要が戻って来た。
「どうかしたんですか?」
重い雰囲気に気付いたのか、そう尋ねて来る。
「いや、何でもねえよ」
「そうですか?装置の調整は終わりましたよ」
それ以上は何も訊かずに要が言った。
「じゃあ、もう一度試してみるか」
「そうだね。再挑戦と行こうぜ」
要は頷いてモニターの前の椅子に座りながら、隣の鎮真に短く声を掛ける。
「あまり無理はしないで下さい」
「……有り難う。だが、俺は大丈夫だ。分かっていた事だからな」
そう、最初から。
ただ信じたくなかっただけで。
背を向けていただけで。
- 50 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
表紙へ
ページ:
Reservoir Amulet