夢の終わり.02


発表会を翌日に迎えた日の放課後、舞夜は鎮真の研究室のドアをノックした。

返事があってドアを開けると、部屋の中にはコーヒーの香りが広がっていた。

「ああ、春日か。いいところに来たな。今ちょうど、コーヒーを淹れたんだ」

そう言いながらカップを二つ並べて、コーヒーを注ぐ。

「まあ座れ」

「有り難うございます」

鎮真はソファに座った舞夜の前にコーヒーで満たしたカップを置いた。

「いよいよ明日だな、発表会。準備の方はどうだ」

「はい、全て済んでいます」

「そうか。さすが春日だな」

鎮真は立ったまま、壁にもたれてカップに口を付けた。

「あの、先生。聞きに来て下さいますよね?」

「当然だろ。これでも一応教師だしな。生徒の頑張りは見届けないとな」

すると舞夜は、ほっとしたように息をつく。

「有り難うございます。良かった。きっと私、誰より先生に聞いてほしいと思うんです」

「どうしてだ?」

「……どうしてでしょうね」

返って来たのは静かで落ち着いた、そして何処か寂しげな声だった。

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