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湧碕は無我夢中で飛び出し、崖を駆け下りた。

子供を育てている怪鳥は、凶暴さが増している。

精鋭の大人達でも勝てなかったのだ。

敵う訳が無い。

無謀だと分かっている。

しかし体は勝手に動いていた。

自分でも分からない、絡み合う感情。

際限無く広がり渦巻く感情に突き動かされる。

恐怖を飛び越えた先にある、怒りよりも熱く冷えた。

どうしようも無く矛盾に満ちていて、それでいて単純な。

ただ一つの思考の核を。

人間や全ての生き物に共通する筈の核を。

こうする事で、守りたかったのかもしれない。

此処で散るとしても、最期まで。

みっともなく足掻いても、守り抜きたかったのかもしれない。

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Reservoir Amulet