落葉
寂しさが、無いと言えば嘘になるけれど。
倒れた木に腰を下ろして空を見上げると、冷たい雫が降って来るのに気付いた。
変わらず空は晴れ、月が出ているのに。
髪や衣が濡れるのも構わず、打たれるまま目を閉じる。
大丈夫、今だってきちんと笑える。
泣いたりはしない。
それでも不意に押し寄せる寂しさや、焦燥に潰されそうになるから。
そういう時は、あの束の間の。
『別に貴女を助けたつもりは無い』
ほんの一時の邂逅を思い出す。
『貴女は俺の事など忘れ、本来在るべき場所へ帰れ』
繰り返し繰り返し、思い出す。
そうする事で輝きを増す、宝石のように。
先予見の力があっても、出来るのはただ先を見るだけ。
だからこそ、幸いを願う。
- 156 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet