落葉


寂しさが、無いと言えば嘘になるけれど。

倒れた木に腰を下ろして空を見上げると、冷たい雫が降って来るのに気付いた。

変わらず空は晴れ、月が出ているのに。

髪や衣が濡れるのも構わず、打たれるまま目を閉じる。

大丈夫、今だってきちんと笑える。

泣いたりはしない。

それでも不意に押し寄せる寂しさや、焦燥に潰されそうになるから。

そういう時は、あの束の間の。

『別に貴女を助けたつもりは無い』

ほんの一時の邂逅を思い出す。

『貴女は俺の事など忘れ、本来在るべき場所へ帰れ』

繰り返し繰り返し、思い出す。

そうする事で輝きを増す、宝石のように。

先予見の力があっても、出来るのはただ先を見るだけ。

だからこそ、幸いを願う。

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Reservoir Amulet