落葉
太刀を地面に突き立てた瞬間、体から力が抜けた。
そのまま崩れるように地面に倒れ込む。
立ち込めた瘴気が晴れ、月や星の輝きが戻って来る。
力強さを失っていた草や木々も、再びその色を取り戻し始めた。
しばらく無かった風が吹き抜け、倒れた体を撫でて行く。
夜明けが近い、目覚める前の世界のざわめきを全身で感じる。
ああ、ようやく終わった。
そして戦いだけの鬼と成る生も此処で。
成すべき事は成し遂げた。
この生に悔やむ事など、心残りなど、何も。
何も。
『このまま進んで、貴方がいつか一人で眠るのなら。私は側にいたいんです』
不意に声が響く。
ああ、こんな時にまで。
こんな時にまで思い出す程、心は求めていたのか。
『私は忘れません。貴方のことを、絶対に』
忘れてほしい。
影に生き、倒れた者のことなど忘れて。
明るい場所で、幸せに。
うっすらと開けた瞳に、夜明け前の薄明かりの中で舞う紅の葉が映る。
落ちた露に体は濡れ、冷たい大地からは力強さを感じる。
此処は、美しい世界だ。
彼女が生きているこの世界は、とても美しい。
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Reservoir Amulet