地図にあった場所の近くで車を停め、外に出る。

「繁森さんのメモでは、この辺りで女性がすすり泣く声がしたそうですが」

「今のところ、変わった様子は無いですね」

どう見ても、車も人通りも少ないただの道路だ。

「夜でないと、怪異は起こらないんでしょうか」

「もう少し調べてみましょうか」

他に一台も停まっていないコインパーキングを見付けて、そこに車を置いた。

それぞれ刀を入れたバッグを背負い、地図を手に歩き出す。

市の外れであるこの辺りは、昼間から人も車も少ないようだ。

幅の狭い道路の横には田んぼが広がり、草木も多いのどかな風景だ。

「静かで良いですね」

そう呟くと、桔梗も頷いた。

「いつも賑やかな駅前にいますから、時々はこういう所も良いですね」

こうして見ている分には、怪異などとは無縁に思える。

しかし地図に書き込まれた印を辿って歩いて行く内に、明らかな変化を感じた。

重く湿った空気の変化。

顔を見合わせ、そちらへと向かう。

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