次第に道は細くなり、緩やかな坂道になる。

更に歩き続けると、舗装された道は終わった。

その先は草木が繁る細い山道になっている。

桔梗の先に立ち、薄暗い中へと足を踏み入れる。

「大丈夫ですか?桔梗さん」

「はい。これ位なら全然平気です」

「頼もしいですね」

それからしばらく進んだところで、桔梗が手を伸ばして服を掴んで来た。

「どうしました?」

立ち止まって尋ねると、きつく服を掴んだまま答える。

「あの、誰かの泣き声が聞こえるような……」

「え?」

言われて耳を澄ましても、何も聞こえない。

「もしかして、私だけですか?」

「今のところはそのようですね。何処から聞こえます?」

「まだ先です。このまま進んで……」

桔梗の言葉に、再び歩き出す。

険しくなる山道に、額に汗が浮かぶ。

体は熱いけれど、立ち込める空気は益々冷たく、重くなって行くようだ。

- 50 -







[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet