兆し.11
綻びを綴じて、力の解放を抑えコートを羽織る。
その間にも視線を感じ、霄瓊は恐る恐る尋ねた。
「……あの、静嵐。私に何か?」
「特に、何も」
静嵐はそう答えながらも、視線は外さない。
居心地の悪さを感じながら、素早く考える。
疑い始めているのだろうか、自分の事を。
今まではまるで興味を示されなかったから、安心して動けたけれど。
これからは、もっと用心しなくてはならないか。
この胸の企みだけは、決して知られないように。
- 99 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
表紙へ
ページ:
Reservoir Amulet