兆し.11


綻びを綴じて、力の解放を抑えコートを羽織る。

その間にも視線を感じ、霄瓊は恐る恐る尋ねた。

「……あの、静嵐。私に何か?」

「特に、何も」

静嵐はそう答えながらも、視線は外さない。

居心地の悪さを感じながら、素早く考える。

疑い始めているのだろうか、自分の事を。

今まではまるで興味を示されなかったから、安心して動けたけれど。

これからは、もっと用心しなくてはならないか。

この胸の企みだけは、決して知られないように。

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