戦いの夜.02


異変は少しずつ、しかし明らかに進行していた。

巨大な生き物の数は増え、凶暴さも増している。

時々来て戦っている静嵐と霄瓊がそれを肌で感じるのだから、いつもこの地にいて人々の暮らしを守っている湧碕達はもっと強く感じ取っている筈だ。

きっと不安で堪らないだろうと思ってビルを訪れると、いつもの賑やかな声が二人を迎えた。

「おっ、今日も二人で登場か!仲が良いな、このこの!」

「…………」

「あ、あの。こんにちは、湧碕さん」

眉をひそめた静嵐を見て、急いで霄瓊が口を開く。

「狩りも段々難しくなって来ていませんか?」

「んー、ああ。まあね」

湧碕は言葉を濁して頬をかいた。

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