鎖.02
いつものように暴れ回る巨大な生き物を倒し、幾つもの戦闘をこなす。
大きな力を刻印によって制御し、命令として放つ。
やっている事には、何も変化は無いのに。
やはり何かが違う気がする。
語らない横顔は、更に影を帯びて。
向けられる事に慣れていた負の感情が無くて。
時々探るような瞳が自分を追っている事に気付くから。
全てを見透かされているような錯覚をしてしまう。
そんな筈は無いけれど。
最悪の場合、こちらの企みが暴かれたとしても。
隠し通さなくては、本当の事だけは。
全てを賭けて築き上げて来た関係が、壊れてしまうから。
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Reservoir Amulet