寄り添う翼.27


上がった部屋の中は、置いてある家具は違うけれど。

それでも雰囲気は懐かしくて。

通り過ぎて来た時の中に還ったようで。

温かいお茶を飲みながら、二人はくつろいで語り合った。

話したい事は、まだ沢山ある。

記憶にある長い長い時間の分まで。

まだ、ふと落ちる心地良い沈黙が占める時間は長いけれど。

「今、未来が変わる前の記憶があるのは、力があった方達だけなんですよね」

「ああ。あの選択に直面していて、力を持っていた者。霄瓊と俺、後は黒曜と美鈴だけだな」

何も覚えていない筈の湧碕がその内いきなり思い出しても、何だか驚きは無いような気がするが。

「今はもう、悪魔も天使も無いですからね」

「……そうだな」

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