寄り添う翼.31


「人の救済を願っていたのは、もしかしたら沢山の人だったのかもしれませんね」

確かな事は分からないけれど。

流れ続ける時の中、滅びを迎える人類の無数の強い願いが。

未来を変える為、再びの機会の為に、静嵐と霄瓊を出会わせたのかもしれない。

もしもそうだとしても、選んだのは自分達だ。

「これで良かったかは、分からないけどな」

「そうですね」

今から数百年、或いはもっと経った後に。

世界が、変えた筈の滅亡へ向かっていないとは限らない。

新たな苦しみや痛みが、日々生み出されて行くのも変わらないだろう。

今も尚、過ぎ去った時の傷が疼く。

荒廃の事実が、不安を掻き立てる。

それら全てを抱いて行くのが、きっと。

変える事を選び流れに逆らい、歪みへと進んだ報いだ。

いつまでも、胸を締め付けるだろう。

けれど、だからこそ。

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