寄り添う翼.31
「人の救済を願っていたのは、もしかしたら沢山の人だったのかもしれませんね」
確かな事は分からないけれど。
流れ続ける時の中、滅びを迎える人類の無数の強い願いが。
未来を変える為、再びの機会の為に、静嵐と霄瓊を出会わせたのかもしれない。
もしもそうだとしても、選んだのは自分達だ。
「これで良かったかは、分からないけどな」
「そうですね」
今から数百年、或いはもっと経った後に。
世界が、変えた筈の滅亡へ向かっていないとは限らない。
新たな苦しみや痛みが、日々生み出されて行くのも変わらないだろう。
今も尚、過ぎ去った時の傷が疼く。
荒廃の事実が、不安を掻き立てる。
それら全てを抱いて行くのが、きっと。
変える事を選び流れに逆らい、歪みへと進んだ報いだ。
いつまでも、胸を締め付けるだろう。
けれど、だからこそ。
- 347 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
表紙へ
ページ:
Reservoir Amulet