深海の心.20


こんな非力な少女にそんな事を思うなんて屈辱だというのに。

それ程に、彼女の中の静けさは底が見えずに深い。

まるで光の届かない深海のように。

鋭く研ぎ澄まされた部分には、誰も立ち入れない。

その在り方が、とても。

「静嵐、やっぱり地下に行きたかったんですね」

しばらく黙って歩いていた霄瓊が口を開き、静嵐は我に返った。

気付くと階段に差し掛かっていて、足は自然に下へと向かっていた。

「現代では地下は駐車場になっている筈ですけど、何かあるんですか?」

霄瓊の言葉通り、階段の先には車が停められている駐車場が広がっていた。

階段の横の警備室から見えないように体勢を低くして素早く通り過ぎ、車の陰に身を隠す。

そのまま車の間を注意深く進みながら、辺りの様子を探る。

- 60 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む

表紙へ

ページ:



Reservoir Amulet