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「え?短編で読みましたから。静嵐と湧碕さんの出会い。静嵐、格好良く決めていましたよね」

「…………」

そんな事まで小説になっているのか。

侮れない。

考えていると霄瓊がベッドから降りて近付いて来た。

拾い上げた携帯を差し出す。

「はい、どうぞ。読まれるんですか?」

「……いや。もういい」

「そうなんですか?折角なんですし、読んでみれば良いのに」

そう言った霄瓊が、思い付いたように手を叩く。

「じゃあ、『沙羅夢幻想』を読んでみませんか?由貴さん達の活躍を見てみましょう」

「…………」

まさか先程まで熟読していて、その上しおりまで挟んであるとは言えない。

結局は言われた通りに、『沙羅夢幻想』を読む事になった。

暗い中で身を寄せ合い、小さな画面を覗く。

こんな事になるとは、誰が予想しただろう。

けれど、こんな夜も悪くない。

そう、きっと。





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