25
拾い上げた霄瓊が、何気無く液晶画面を見る。
「あっ、これ。私達の小説ですね」
「…………」
「やっぱり気になっていたんですね、静嵐」
「…………」
何だか弱みを握られたような気分だ。
「隠さなくても良いですよ。自分達の事が小説になっていると知ったら、気になりますよね」
霄瓊はすっかり目を覚ましてしまった様子だ。
「静嵐、以前湧碕さんに『俺には心が無い』みたいな事を言っていましたけど、そんな事無いですよね。こうして色々考えていらっしゃるんですし。ただ、顔に出さないだけですよね」
沈黙を守ろうとした静嵐は、ふと気付いた。
そういえば由貴も同じような事を言っていた。
「おい、何故そんな話を知っている。あれはまだお前に出会う前だろう」
- 25 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet