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「羽衣?どうした」

「あっ、いいえ。何でもありません」

慌てて自分の服の胸元を掴んでいた手を放して首を振る。

「……そうか?」

「はい」

幸希さんはしばらく怪訝そうに私を見ていたけれど、それ以上は訊かずに荷物を持って立ち上がる。

「それならいいけどな。じゃあ、帰るか」

「あ、はい」

気が付くと他のメンバーの人達は皆帰ってしまっていて、残っているのは私達だけだった。

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Reservoir Amulet