02
「羽衣?どうした」
「あっ、いいえ。何でもありません」
慌てて自分の服の胸元を掴んでいた手を放して首を振る。
「……そうか?」
「はい」
幸希さんはしばらく怪訝そうに私を見ていたけれど、それ以上は訊かずに荷物を持って立ち上がる。
「それならいいけどな。じゃあ、帰るか」
「あ、はい」
気が付くと他のメンバーの人達は皆帰ってしまっていて、残っているのは私達だけだった。
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