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「皆さん、帰るの早いですね。あの、打ち上げとかしなくていいんですか?」

「いいさ。ライブなんてしょっちゅうやってるんだし。皆気を遣ってるんだろ」

「……?」

何の事だろう?

けれど私が尋ねるより先に幸希さんは歩き出した。

「ほら、帰るぞ」

「……はい」

前を行く背中を見て、また服の胸元を掴む。

胸が痛くて、千切れそうなのは何故。

分からないけれど、もしもこの切なさが貴方と私を繋ぐものなら、今この痛みを抱く私には何が出来るのだろう。

何か、出来たらいいのに。





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