02
そして今日は、羽衣のデビューライブ当日だ。
「もう、どうして幸希さんは緊張してないんです?」
「してるさ、俺だって。けど、俺は場数を踏んでるしな」
「……何だかずるいです」
あれきり、羽衣の中に玲歌を感じる事は無かった。
けれど、それで良かったと思う。
それまで羽衣が纏っていた何処か儚く今にも消えてしまいそうな笑顔の代わりに、こんなにも可愛らしいふくれっ面を見れるようになったから。
きっとこれが本当の羽衣なんだろう。
入院を長くしていたから、弱々しく落ち着いてしまっていて。
年相応の可愛らしさが見れるようになったのは、元気になった証拠だろうから。
「ほら、そろそろステージに行くぞ」
ギターを肩に掛け、羽衣の腰に手を当てて抱き上げる。
「わわっ、幸希さん!?」
「いい子だから機嫌直せって」
「子供扱いしないで下さい!」
「可愛いがってるんだよ」
細く華奢な体。
でもこの腕に確かに感じる重みが、俺に温もりを与えてくれるから。
胸に灯る温もりを。
だからきっと、今日のライブは大丈夫だ。
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Reservoir Amulet