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そう言って君は、俺を抱き締める。

失ってから、ずっと捜し求めていた温もり。

けれど、何だかまだ夢の中にいるようだ。

諦めていたのにそれでも捨てられなかった願いが。

あんなに悔やんで泣いて尚抱いていた願いが。

本当に叶う事を、まだ何処かで疑っているのだろうか。

玲歌の事は、忘れてはいけない。

だけど今は笑う事も、こうして感じる温もりに罪悪感を覚える事も無くなった。

死んでもいいと思っていたんだ。

代わりに玲歌が生きていてくれるなら。

でも今なら生きたいと思える。

君に出会えたから。

君が笑ってくれるから、俺も笑顔になれる。

君の為に俺は生きる。

羽衣は分かっているのだろうか。

俺が繋いだ手を、ずっと放したくないと思っていると。

君の存在にいつも救われていると。

羽衣を、とても愛しく感じていると。

君を困らせたくはないから、まだ当分は言わないけれど。

今はまだ、こうして安らぎを分け合って行ければいい。

君の笑顔と温もりが側に在るなら、それだけでいいから。





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