02
しばらくすると、僕は駅前の通りでギターを弾き始めた。
雑踏を見ながら、まだ拙くても何度も弾き続けた。
何回も通う内に足を止めて聴いてくれる人が現れた。
やがて顔見知りになり、声を掛けてくれる人が増えて来た。
励ましの声を受けて力を貰い、雨の日に弾いた事もある。
同じように屋根の下に立って雨宿りをしている人達がいつしか集まっていて、演奏の後に拍手をくれたりもした。
僕はただ、ひたすらに弾き続けた。
誰かが聴いているという事は、それだけ音楽が広がっているという事だ。
僕と和樹が創っている音楽が。
一瞬で忘れられてしまうかもしれないけれど、もしかしたら。
もしかしたらいつか、何かの切っ掛けでふと思いだして。
前に進めない背中をそっと押したり、俯いた顔を上に向ける力になれるかもしれない。
そんなささやかな夢を見ながら、僕はひたすらに弾き続ける。
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Reservoir Amulet