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例え今は届かないとしても。

こうして奏で続けていれば、そこに込めた想いが巡り続けて。

いつか遠い未来に誰かの胸に響くかもしれない。

それは気が遠くなる程果てしない夢だ。

でもその夢を信じるという事は、和樹がいた証が消えないと信じる事になる。

いつか死んだとしても想いや願いは、そこに宿る力は残るとすれば。

それだけで生き続ける理由になるのではないだろうか。

大切な人を亡くしたとしても、いつか自分にも必ず訪れる死を分かっていても。

それでも自分自身を貫く理由の一つになるのではないだろうか。

だから僕は、指が千切れる位ひたすらに弾き続ける。

ただ、ささやかな夢を、奇跡を信じて。

和樹を、僕を終わらせない為に。

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