lovelabyrinth.29


「……何でだよ」

思わず尋ねると、華憐は澄んだ瞳で答えた。

「貴方は私を助けてくれた。それだけじゃなくて、今までずっと一緒にいてくれた。側にいる事が何より慰めになる、そんなささやかな幸せを何気無く教えてくれる。だから、私も貴方に何かをしてあげたいの」

大きな瞳は、月の光を宿したように淡く深い光を放つ。

真っ直ぐに心の奥深くまで射し込むように。

「何にもならないかもしれない。でも貴方が私の願いを訊いて、その為に何でもすると言ってくれるから、私も同じ事を返したいの。貴方に少しでも報いたいから。貴方の願いが叶う事が、私の願いだよ」

「馬鹿だろ、あんた。そんな事したって何の得にもならないぞ」

「貴方の願いを一緒に願うと言っているんだよ。例え何の力にもならなくても、そういう人がいないよりいた方が良いから」

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