lovelabyrinth.30
蒼は何処までも真っ直ぐな瞳から目を逸らして言った。
「分かったよ。あんたがそうしたいなら、好きにしろよ」
「うん。好きにする」
どうして他人の事にこんなに必死になるのか。
自分に報われる事など、ほとんど無いだろうに。
傷付いて、泣く結果になるかもしれないのに。
『蒼にも、あるでしょう?自分の何を後にしても大切にしたいものが』
以前そう言われた時には、そんなもの一生見付かる訳が無いと思ったけれど。
生まれて初めて、死なせたくないと思ったのは。
『もう見付けているのに、気付いていないだけかもしれないね』
この手で、守りたいと思えたのは。
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Reservoir Amulet