preciousjewel.03


「そうじゃない。あんたの事に決まってるだろう」

蒼は息を吐いて華憐の手から袋を取り上げた。

「軽いと思ってあんたに持たせた俺が間違いだったぜ。俺が持つから、華憐は自分の足元に注意していろ」

「でも、一緒に来たんだから私だって役に立たないと。それ位持てるよ!」

取り返そうとする手の届かない高さまで荷物を持ち上げながら、蒼が呆れて言う。

「分かったから。気持ちだけは有り難く頂戴するよ。変な気を遣うな」

「……うん」

華憐は大人しく頷いて引き下がったが、その表情は何となく落ち込んでいるように見えた。

それを感じ取れたから、蒼は再び息をついて元々自分が持っていた袋に華憐から取り上げた袋の中身を少し移した。

そして、少し小さくなった荷物を華憐に返す。

「じゃあ、これを持ってくれるか」

「え?いいの?」

「さすがの俺でも全部持つのは大変だしな。少しでも持ってくれれば助かるよ」

「うん!有り難う」

たったこれだけの事で、心から嬉しそうに笑ってくれるから。

もっと何かをしてあげたくなる。

自分でも不思議になるけれど。

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