11
「それはいつも思っているんじゃないのか。華憐なら」
蒼は髪をかき上げながら続ける。
「ま、頑張れよ。いつも通りにな」
「……有り難う、蒼」
たったこれだけの言葉で笑ってくれる素直さを、愛しく想う自分がいる。
抱き締めて、自分のものに出来たらどんなに幸せだろう。
手に入らないからこそ、眩しくて。
自嘲してしまう道化を繰り返すしか無い。
せめて彼女が幸せになれるように。
「じゃあ私、そろそろ部屋に行くね。ご飯は……もう少しお腹がすいたら自分で取りに来るよ」
「分かった。じゃあ送ってくよ」
蒼がそう言って、返事を待たずに華憐の手を取る。
- 228 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet