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「それはいつも思っているんじゃないのか。華憐なら」

蒼は髪をかき上げながら続ける。

「ま、頑張れよ。いつも通りにな」

「……有り難う、蒼」

たったこれだけの言葉で笑ってくれる素直さを、愛しく想う自分がいる。

抱き締めて、自分のものに出来たらどんなに幸せだろう。

手に入らないからこそ、眩しくて。

自嘲してしまう道化を繰り返すしか無い。

せめて彼女が幸せになれるように。

「じゃあ私、そろそろ部屋に行くね。ご飯は……もう少しお腹がすいたら自分で取りに来るよ」

「分かった。じゃあ送ってくよ」

蒼がそう言って、返事を待たずに華憐の手を取る。

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Reservoir Amulet