02


以前にも通った道を歩いて、蒼と華憐は騎士団本部へと向かっていた。

その途中で見た街は、少しだけ雰囲気が明るくなっているように思えた。

「何だか、変わったね。廃墟になっていた街でも人々が復興しようとしていたし」

「ああ。……華憐は一人じゃないって事さ」

蒼がそう言うと、華憐は首を傾げた。

「どういう事?」

「すぐに分かる。まあそれでも王家に反抗した奴らはまだ残ってるだろうし、民を一つに纏めて行くのは時間が掛かるだろうけどな」

「うん、分かってる。でも私、今度こそ自分の務めから目を逸らしたりしないよ」

決意に満ちた横顔を見下ろして、蒼は息をつく。

「その心掛けは立派だが、またあんまり一人で抱え込むなよ」

「大丈夫だよ。蒼がいてくれれば」

「……あ、ああ」

輝く瞳から目を逸らして髪をかき上げると、華憐が首を傾げた。

「どうしたの?」

「いや、別に。少し予想外だっただけだ」

「何が?」

「華憐が気にする事じゃない。ただ、嬉しかっただけさ」

笑って言うと、よく分かっていない様子の華憐も微笑み返して来た。

その笑顔を見て、蒼が再び深く息を吐く。

(どうしたっていうんだ、俺は。こんな筈じゃ無かったんだが)

実のところ、こちらへ戻って来てから数日間、華憐と手を繋ぐ事すらしていない。

以前は普通にしていた事が、想いを交わしてから出来なくなるとは思わなかった。

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