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夕方の買い物で多くの人が行き交う街の通りで、突然悲鳴が上がった。

数人の若い男が、女性を取り囲んで腕を乱暴に掴んでいる。

「おらっ、その荷物を置いて行け!」

「早くしろっ」

賑やかだった街は静まり返り、人々が成り行きを見詰めるが、誰も止めようとはしない。

男達は女性が抱えていた荷物を取り上げると、そのまま突き飛ばした。

地面に倒れた女性を笑いながら見やって歩き出した男達の前に、不意に一人の少女が立った。

「……ああ?何だ、お前」

怪訝そうに口を開いた男に、少女は恐れる事無く言い放つ。

「荷物を返して、謝りなさい」

「何だと?」

「荷物を返して、謝れって言ってるの。そんな事も理解出来ないの?」

「このガキっ、おい、やっちまえ!」

男達が飛び掛かろうとした時、少女を守るように背の高い青年が前に出た。

「王女に向かってガキはないだろう。礼儀を知らない奴らだな」

「……蒼がそれを言っても全然説得力が無いよ」

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