desolatecity.14


蒼は目を閉じて、静かに息を吐いた。

どうしてあの時、あんなにも華憐の死を止めたいと思ったのかが、やっと分かった。

(ガキだったからだ、あいつが)

他には誰もいない城の中で見たのが大人の王女であったなら、毒を飲もうとしていても止めなかったかもしれない。

掲げられた罪状から想像出来る通りの姿だったなら、助けようなどとは思わなかったかもしれない。

そこにいたのがあまりにも頼りなく幼い顔立ちをした少女だったから。

そのくせ怖がる素振りも見せずに、むしろ誇り高く微笑みさえ浮かべて死のうとしていたから。

だから意地でも死なせない気になったのだ。

自分の死で国が救われるならそれでいいと本気で思っているようだったから、教えてやりたくなった。

死んで変わる事よりも、生きて変わる事の方が尊い時もあるのだと。

蒼よりもまだ若くて明るい未来や希望を見詰めていてもおかしくないような少女だったから、教えてやりたくなる。

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