fictionstory.02


蒼と華憐が騎士団本部を目指して旅立ってから数日が過ぎた。

幾つかの街を通り、何度か野宿をしながら共にいる内に華憐が気付いた事がある。

それは自分が世間知らずと言っても良い程で、蒼がいなければとても旅など出来なかったという事だ。

蒼は旅の途中でほとんど困る事は無かった。

何処へ行っても上手に人々の中に入って行き、楽しげに会話をしては様々な物を手に入れて来る。

どんな会話も楽しそうに交わすから、自然に人から好かれるのだ。

今日二人が着いた街でも蒼は要領よく宿屋を見付け、食料や服まで手に入れていた。

そしていつも情報収集と称して、夜更けに一人部屋を出て行く。

何処へ行って何をしているのかは知らないが、敢えて尋ねるのも気が引けた。

蒼にだって一人になりたい時はあるだろうし、羽を伸ばしたくなる時だってあるだろう。

世話になってばかりの自分に詮索する事は出来ない。

今夜も、寝る支度を整えた華憐に蒼は短く言った。

「じゃあ行って来る」

「あ、うん。行ってらっしゃい」

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