fictionstory.02
蒼と華憐が騎士団本部を目指して旅立ってから数日が過ぎた。
幾つかの街を通り、何度か野宿をしながら共にいる内に華憐が気付いた事がある。
それは自分が世間知らずと言っても良い程で、蒼がいなければとても旅など出来なかったという事だ。
蒼は旅の途中でほとんど困る事は無かった。
何処へ行っても上手に人々の中に入って行き、楽しげに会話をしては様々な物を手に入れて来る。
どんな会話も楽しそうに交わすから、自然に人から好かれるのだ。
今日二人が着いた街でも蒼は要領よく宿屋を見付け、食料や服まで手に入れていた。
そしていつも情報収集と称して、夜更けに一人部屋を出て行く。
何処へ行って何をしているのかは知らないが、敢えて尋ねるのも気が引けた。
蒼にだって一人になりたい時はあるだろうし、羽を伸ばしたくなる時だってあるだろう。
世話になってばかりの自分に詮索する事は出来ない。
今夜も、寝る支度を整えた華憐に蒼は短く言った。
「じゃあ行って来る」
「あ、うん。行ってらっしゃい」
- 46 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet